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医療コラム

「痛み止め」という呼び方は注意が必要

世間では、ロキソニンとかボルタレンの事を、未だに痛み止めという名前で呼んでいます。それでいて一日の処方を分3(一日に3回食後に服用)で処方している医療機関が今も多くあります。実際に消炎鎮痛剤の英訳はPain Killerですが、直訳すればそれでいいという事はありません。

実際に痛み止めという薬をあなたはどのような薬と理解しますか?おそらく大半の方は痛みの電気信号を止めてくれる、つまり痛いという不快感を止める薬だと思うと思います。そうしたらその方がもし薬に抵抗感を持つ方なら、本当に痛みがつらい時以外は飲まないと思いませんか?

ですが、Nsaidと呼ばれるこれらの鎮痛消炎剤は、プロスタグランディンの発生を抑制するのが働き、このプロスタグランディンは血管の透過性を高めそこに炎症細胞を集め、本来ならそこに起こるであろう感染に対して働く機構、でも実際は感染が起こっていない炎症現場が、本来のターゲットならプロスタグランディンは無用の物、どんな副障害を起こすかと言うと、痛みと熱感と腫脹を来し、局所の正常な血流を障害して治癒機転を遅くしたりもします。

また連鎖反応で次の炎症反応の起点にもなり、これらの連続で大きく組織を破壊し場合によっては治療不可の醜い瘢痕を残す結果にもつながります。主に整形外科分野では、感染でない単なる痛み=局所の炎症反応に対してこのNsaidを使いますが、目的は痛みを取る以外に、局所の炎症をなくして組織の再生を促す事を目的として使う為、血中濃度を24時間保てない分3(一日に3回服用)の薬を頓服で1回だけもしくは痛みが我慢できると全く飲まない事によって目に見えぬ副障害が起きているのです。

私はこれらの周知の事実が医療機関以外で、主に調剤薬局や歯科領域で認知されていない事で、時折その被害に遭っている患者さんを今でも間接的に見る事があります。私は地道でもお一人お一人に、これは痛み信号を止める薬ではなく、炎症を抑えますので処方通りに服用して下さいとお伝えしています。また、近隣の薬局にはご協力頂いて、少しでもこの認識を広めるようにお願いしています。

処方、つまり薬は飲み方も合わせて治療の一部だと思って下さい。一見安全そうに思える薬でも、飲み方を間違えてしまうだけで、身体への悪影響を来す事もあり得ます。また最悪そうなった時でも、誰に責任を問う事も出来ず、自分で何とかしなければいけなくなってしまうのです。医学の世界の知識は簡単そうに見えて、実は深い意味を持っているものも数あります。もし、あなたに主治医の先生がいらっしゃれば、それはいかなる情報よりも確かで確実な情報です。何でも遠慮なくお聞きになる事をお勧め致します。

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