第5中足骨骨折
俗称「下駄骨折」と言い、腓骨筋腱によって牽引されて離開する可能性がある。偏位のないものはテーピングでも固定可能な場合がある。
膝蓋骨骨折
膝頭を直接打撲する事により発症、2mm以上の開きがあれば手術適応となる。荷重骨ではないので、固定は周囲を覆うように固定する。
大腿骨頸部骨折
高齢者の転倒に伴う骨折の中では重症例となる。レントゲンだけでは骨折が分からないケースもあり、ほぼ全例が手術適応となる。
坐骨骨折
臀部を強く打撲する事によって発症、恥骨骨折と併発した場合、閉鎖孔を圧迫する可能性もあり手術適応もある。
恥骨骨折
股部を前方若しくは下方より打撲を受ける事によって発症、堅固な靭帯に囲まれる為に偏位は生じる事は少ない。坐骨骨折と併発する事が多い。
尾骨骨折
臀部を下方より打撲する事により発生、骨折して内方に偏位した場合のみ徒手整復を行う。通常安静にて3-4週にて痛みが無くなる。
仙骨骨折
臀部を後方より直接打撲する事により発生、通常は偏位する事は少なく、安静にて治療する。下肢に麻痺症状を来した場合のみ手術。
腸骨骨折
直接の打撲により受賞、偏位のあるものは手術適応となるが、偏位のないものはコルセット固定にて4週を要する。
腰椎横突起骨折
腰部の直接の外傷で時折発生。元々肋骨の遺残物なので、癒合による治癒ではなく、2週程経過して痛みが無くなった時を治癒とする。
腰椎椎体骨折
臀部を垂直方向に衝撃を受ける事により発症、骨粗鬆症のある老人では必発となる。当座は歩行困難な疼痛を来す場合は入院治療もあり得る。
橈骨遠位端骨折
前腕の骨折の中では最多、偏位方向によりColles/Smithまた関節内に到るとBurtonと分類が多岐に渡り、状況によって治療方法も大きく異なる。
尺骨茎状突起骨折
橈骨遠位端骨折に平行して発症する事が多い。大きく偏位した時のみピンニング手術を行うが、痛みを伴わない場合は外固定のみで治療する。
マレットフィンガー
手指の末節骨の背側の剥離骨折、突き指によって発症。骨折は石黒変法によるピンニング手術により5週で改善、腱性の方が治癒率は悪い。
舟状骨骨折
主に手を強く突く事で発生、レントゲンで偏位を確認出来れば、骨内の血管断裂が強く疑われる為、手術適応となる。
ベネット骨折
第一中手骨の基部を剪断骨折する事により発症、同部に付着する拇指外転筋により、外固定後も偏位するので手術適応になるケースも多い。
胸椎骨折
背部を直接打撲するか、垂直方向の衝撃によって出現。Th11/12の発生が多い。若年者の方が治癒期間長く、脊柱管内の圧迫に注意要する。
肋骨骨折
外傷に限らず、咳や寝返りでも発生。食生活の変化で近年、若年者の無外傷発生が増えている。3-4週で痛み改善をもって治癒とする。
胸骨骨折
前胸部は凹形となっている為、直接の堅い鈍器等が当たらなければ、滅多に起こらない。
鎖骨骨折
単車事故で、肩からの落下等では頻発する。2本の靭帯の断裂があるか否かで、偏位の度合いが異なるが大きな偏位があれば手術適応となる。
下顎骨骨折
下歯槽神経や血管系を損傷する可能性もあり、歯科口腔外科にて治療を行う。咬合障害も生じる可能性もあり、慎重に扱う。
頬骨骨折
顔面の外傷における骨損傷では2番目に多い。頭蓋内への影響はないが、長期顔貌が腫脹し美容的意味が多い。
鼻骨骨折
顔面の外傷における骨損傷では最多。多少のずれが生じても経過観察が多く、手術的には外方から徒手整復で副子固定で行う。