アトピー性皮膚炎
ある複数の抗原に同時に抗体を持つ体質をもってアトピー体質と言い、遺伝傾向を有する。アトピー体質の者が皮膚炎を起こした総称をいう。
脂漏性皮膚炎
発汗に伴い汗の中にある皮脂を癜風菌が食し、その残渣が皮膚炎を起こしたもの。アトピー体質の者が罹患するとアトピー性皮膚炎となる。
自家感作性皮膚炎
一部に膿痂疹等を有し、その刺激により免疫的または自律神経を介して他の離れた場所に皮膚炎が発症したものをいう。
蕁麻疹
原因にアレルギー性・非アレルギー性があり、刺激により拡張した血管からヒスタミンが遊離され、局所的浮腫を伴い膨疹を形成する。
ジベル薔薇色粃糠疹
アトピーに長期罹患し、体幹に水平状に紡錘状の平行する隆起する紅斑をか辿ってこの名称が付けられた。
皮膚描記症
成因は蕁麻疹とは大きく異なるも、発症過程は類似する。機械的刺激にて血管拡張とヒスタミンの遊離がある。歯科補綴物による原因も多い。
結節性痒疹
掻破を繰り返すことにより、皮下の肉下種を形成したもの。難治性であり、時に免疫製剤にて治療を行う場合もある。
紅皮症
様々な原因により毛細血管の拡張をもって、表面上に紅色の一定の色素異常を呈したものの総称。SLEに伴う蝶形紅斑などがある。
粉瘤
掻破または毛根の表皮部が皮内に陥入し、そこで垢を形成し皮下にこれが溜ったものをいう。感染したものは手術的に排膿を行う。
化膿性毛嚢炎
体幹や四肢の毛嚢に常在菌が入り込み、中で化膿し炎症を起こす。抗生剤投与や切開排膿、消毒処置などを行う。
皮膚真菌症
体幹や臀部などに感染した、真菌による感染の総称を言う。多くは環状の外縁の隆起を伴い境界は鮮明となる為、診断は比較的容易である。
皮膚カンジダ症
陰部など特定の場所に繁殖するケースが多い。抗真菌剤の投与により著名に改善するも、再発を防止するために長期処方にて治療を行う。
水痘
俗にいう、水疱瘡の事を言う。多くは小児期に感染もしくは予防接種により抗体を持つが、稀に成人になって初感染する場合があり重症化する。
帯状疱疹
上記水痘ウイルスが治癒を持って神経内に隠れていたものが、身体の免疫力低下に伴い、神経支配領域に沿って帯状に発症したもの。
尋常性疣贅
HPVにより皮膚感染を起こしたものを言う。初期は液体窒素によるタンパク変性封入により治療する事が多い。繰り返しまた転移する。
扁平疣贅
過度な掻破などにより、表在するウイルスが皮膚感染を起こして発症する。上記と異なり形状の問題だけで感染する可能性は殆どない。
カポジ様水痘発疹症
アトピー性皮膚炎に伴い、表皮上の皮膚の抵抗力が減じて表在する水痘ウイルスに罹患する。抗ウイルス剤にて容易に鎮静する。
尖形コンジローム
主に陰部など、摩擦の多い場所に出現する。治療は突出した部分を物理的切除しただけで、再発も抑えられることが多い。
炎症後色素沈着
皮膚が長期炎症に罹患した場合、メラニン細胞が角質層にメラニンを放出しそれが残存する。炎症の時間だけでなく範囲にも比例する。
色素性母斑
一般にはホクロの事を指し、メラニン色素の集積を見る。病的には異常を来さないが、時として悪性黒色腫との鑑別を有する場合がある。
接触性皮膚炎
接触を伴った物理的刺激に発症する皮膚炎を指し、その範囲は広く、主婦手湿疹や汗疹などもその範囲に入る。
掻破性皮膚炎
掻痒感に続き爪により掻破し、感染性の皮膚炎になったものを言う。治療は抗生剤を用いた対細菌の治療を中心に行う。
熱傷
発熱物質に晒されて、皮膚の組織が壊れタンパク変性を来したもの。深達度によって分類され3度以上は瘢痕を残す可能性がある。
日光皮膚炎
特に太陽光線(紫外線)による物理的刺激を受けた皮膚炎を言う。日光のエネルギーによるものと光アレルギーによるものがある。
凍瘡
0度以下の環境下にて、主として手指や足趾が血流不全に陥り、血液のうっ滞や阻血により皮膚の機能不全をおこした状態。
肥厚性瘢痕
皮膚の長期炎症や繰り返される物理的刺激により、肉芽腫変性を来し最終的に硬く癒合したものを言う。難治性でステロイドのテープ等用いる。
ケロイド
皮下組織の良性腫瘍。上記肥厚性瘢痕がさらに進行した状態。前胸部や膝蓋前部など緊張の強い皮膚に外傷を受けると生じやすい。